343: 1/2 2014/11/12(水)01:11:21 ID:OzmsUiaLd

娘の名前が『偉大(じいにあす)』になりかけた。

嫁がマタニティハイでラリってしまい、
「立派に生きて欲しいから、偉大な名前にしないと!」と考えて、
「それならいっそ偉大って名前にしちゃえば!」
というどういう思考連結なのか理解できない展開で『偉大』と名付けたいと。

一番謎だったのはなんで偉大でジーニアスなんだ、と。
恐ろしい事に、義父母がそれに大賛成ムードで
俺の味方は義弟ただ一人だった。

二人でどれだけ説得しても
「今時の子供には今時の名前でしょ!嫌なら離婚!」
とムキになるだけで会話が成立しねェ。

義弟に至っては
「ガキが生意気にほざくな!!」
と義父に殴られてしまった。

色々アドバイスを受けて、上司を食事を呼ぶ事に。
上司に前以て名前の事で揉めていると伝えていたので、
快く説得作戦に乗ってくれた。

嫁に上司が来るからご馳走を用意して欲しいと伝え、
日程を決めて上司を家に招く手筈を整えた。
嫁も大ハリキリだったので、
コレで上司に何とか説得してもらえれば大丈夫だ


……そんな風に思っていた時期が、俺にもありました。


当日、上司を家に招き、
食事を待ってる状態で談笑しながら
さりげなく嫁が妊娠した事を伝え、
上司が「へぇ、それで、娘さんのお名前は?」と尋ねると
義母が誇らしげに「偉大と書いてじいにあすなんです」と。

ちょっと上司が沈黙して、
「じいにあす、ですか?子供にそんな名前はさすがにどうかと…」
義父が「どういう意味でおっしゃったのですか?」と尋ねると、
上司は「子供の名前は一生を決める大事なものです。
その一生に一度の宝物を、
子供が不幸になるようなプレゼントにしてはいけま」ズドォォォォオオオン!!!

上司が最後まで喋りきらないうちに義父が全力でテーブルを叩いた。
「お帰りください」
頭上に「?!」を浮かべている俺・義弟・上司。

「○○(俺の事)の上司がこんな礼儀知らずな人間とは思いませんでした。
幻滅です。早々にお帰りください」

義弟と俺がなだめようとしても
「黙っていろ!こんな奴にうちの床を踏む資格はない!!」
と完全ヒート状態で手がつけられない。

「しかしですね」とあくまで冷静に諭そうとする上司に対して
拳を振り上げ「殴られる前に消えやがれってんだ!!!」
と凄まじい声量で怒鳴りつけた。

俺と義弟の制止も聞かずに、
義父は上司を家から追い出してしまった。

その日の深夜、上司から
「力になれんで済まん。あれはもう無理だ。子供の名前は覚悟しておいた方がいい。」
とメールが来た。

声殺して泣いた。


344: 2/2 2014/11/12(水)01:16:31 ID:OzmsUiaLd

もうあかん、八方塞りだ。
と絶望しながら頭を抱えていたら義弟が、
「僕にアイデアがある。日曜にショッピングモールへ姉貴と3人で買い物に行こう」と。

離婚準備のための録音機材とかそんなもんでも買いに行くのかな?
とか思いながら憂鬱な気分で車走らせて、
3人で家からかなり距離のあるショッピングモール
(義弟のリクエストで、そのモールにしかない専門店に行きたいんだそうだ)に向かった。

着いて早々に「二人とも喉渇いたろ?」っつって
義弟はフードコートでコーヒーと軽食を2人分頼んだ。

で、「ちょっと商品下見してくるから二人はちょっと待ってて」と言うので、
俺も手伝うと言ったら、
「これは特殊な物だから僕にしか分からないし、大丈夫だよ」
と言ってそのまま行ってしまった。

もしかして録音機じゃなくて盗聴器かな?と思いながら
二人でコーヒー飲みながら待ってた次の瞬間、

「迷子のご案内をします。ハローキティのプリントされたシャツと、
紺色の半ズボンを穿いた3歳の女の子を探しています。
名前は、×本じいにあ…ブプッ、じいに…ククッ…じ、じいにあすちゃん……です。
お、お心当たりの方は……」

義弟、やらかしやがった。
奇抜な名前&アナウンスのお姉さんの声が半笑いだった事もあり、
周囲からいくつかの「ブッ」という音。

噴いたんだろうな。
俺だって当事者じゃなかったら噴く。
断言できる。

次の瞬間「今笑ったの誰だぁぁぁあ!!」と嫁が噴火した。
近くの人になりふり構わず掴みかかり、怒鳴り散らす。

慌てて引き剥がそうとするが、
火事場の馬鹿力なのかどうなのか分からないが、
こっちが引きずられそうになるくらいだった。

騒ぎに気付いた警備員の人に両肩掴まれて
なだめられながら引っ張られてても尚、
嫁は怒鳴り散らしまくってた。

義弟と合流して、車の中でなおも
「信じられない、ふざけんな、何で笑うんだ」
とぶつぶつつぶやいてる嫁に
「あれが普通の反応なんだよ、分かる?
名前呼ばれるたびに笑われて、バカにされるんだよ?
分かる?お前はあんな仕打ち受けて耐えられる?」
って言ったら泣き出した。

「ごめんなさい…」って言いながら泣いてる嫁を見て、
ようやく嵐は過ぎた、って思えた。

ちなみにそれ聞いて助手席で
こっそりサムズアップした義弟には、脇腹に軽くブロー入れといた。

夜に「実際に嫁の提案した名前を周囲の、
大多数の人間から笑われた事に嫁が大いに傷付いたので、
娘の名前を改める、嫁も納得している」
と話して、どうにか義父母も娘の名前をじいにあすにしない事に渋々納得してくれた。

一応、「俺もお前の意志をある程度汲むから」と言って
『あす』だけとって『明日香』という名前を提案したら嫁も納得した。

その後、娘が生まれる直前に義父母が
「やはり『じいにあす』でなければ!」と再発狂したので、
スパッと見限って俺・嫁・義弟の3人で県外にトンズラした。

引っ越す時に「二度と家の敷居はまたがせんぞ!」と喚いてたけど、
戻る気はない。戻ってたまるか。
義弟は学校までがかなり遠くなったけど、
あの義父母にSAN値を削られるよりは遥かにマシ、と気にしてない。

今では嫁はすっかりまともになって、育児に家事にと奔走してくれている。
万一、娘がじいにあすになったらどんなことになってたか……って思うと今でもビクッてくる。


引用元: http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1413653252/